【大阪市】マンションの火災保険の必要性

島国で地震発生件数が多い日本に住む私たちは、自然災害や地震の映像をテレビで見たり、自らも体験したりしてその恐ろしさを痛感する機会が世界の他の国々と比べ多いのではないでしょうか。
台風や大雨の影響で床上浸水したり、山の近くに家がある場合は土砂災害などの危険も考えられます。
備えをしておくことはとても大切です。
具体的にどのような方法で万一に備えることができるでしょう?
その1つが「火災保険」です。
火災保険は火災が起きた時だけの保険ではありません。
自然災害や日常生活におけるリスクに対する補償も含まれる商品が数多くあります。
今回はマンションを購入した際、火災保険に加入するべきか?
保険料の相場や加入率、選び方などを解説したいと思います。
●補償内容
火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分かれます。
申込み時には建物と家財両方申し込むことも、どちらかだけ申し込むこともできます。
補償の中身は大きく分けて「火災」・「自然災害」・「日常生活」の3つに分かれます。
◆火災のリスク
火災には火災・爆発・落雷・破裂が含まれます。
木造の戸建住宅などと比べると鉄筋コンクリート造や鉄骨造のマンションは燃えにくいと言えますが、室内の家財は焼失、もしくは消火活動によって使い物にならなくなってしまうでしょう。
燃えずに残ったとしても補修や買い替えが必要になってくる場合もあります。
このような火災での焼失、消火活動での損失を火災保険で補償することができます。
また、爆発や破裂とはカセットコンロが爆発したり、家電の一部が破裂したりして家財や住居に補修が必要な場合の補償です。
落雷の補償とは、落雷時電線などを通して家電類が故障してしまった時の補償です。
20mを超える建物には避雷針があり、特にマンションの場合は落雷で建物が破損するリスクは低いですが、補償があると安心です。
◆自然災害のリスク
自然災害には水災、雹(ひょう)災、風災、雪災があり、近年は台風による被害が多く発生しています。
・水 災:外水反乱・内水反乱等による床上浸水・床下浸水
雨の影響で緩んだ地盤の土砂災害 等
・雹(ひょう)災:雹による建物や家財の破損
・風 災:強風による建物や家財の破損
・雪 災:積雪や雪による雪害事故
特に線状降水帯の影響や短時間の局地的な豪雨やよる水害では記録的な被害がしばしば起きています。
慎重に検討すべき補償です。
◆日常生活におけるリスク
日常生活におけるリスクは盗難、水漏れ、破損・汚損などがあげられます。
・盗 難:家財の盗難、侵入時に扉や窓ガラスを割られた時の補修
・水 漏 れ:キッチン、洗濯機、お風呂場等からの水漏れ
他の住戸からの水漏れで天井や壁紙、家財に被害があった時の補償
・破損・汚染:家具の移動で壁を傷つけてしまったり、子供がボールを当ててガラスが割れたなど
日常の不慮の事故による損傷の補償
◆その他のリスク
主な補償の他にオプション特約を付けて補償範囲を広げることもできます。
個人賠償の特約は自転車事故など日常生活において損害賠償責任を負った場合の損害を補償してくれます。
ぜひ付けておきたい特約の1つです。
また下記にも記載していますが、地震による火災で生じた損失は火災保険ではなく地震保険から支払われます。
そのため地震火災の場合は支払われる保険料で再建できない可能性が高いですが、「地震火災費用の特約」でカバーすることができます。
●加入率
実際の火災保険の加入率はどのくらいなのでしょう?
2015年度末の内閣府試算では、
◆火災保険・共済の加入率
・建物 のみ :82パーセント
・水災補償あり:66パーセント
・地震補償あり:49パーセント
と約8割の加入率になっています。
●住宅ローンで購入する場合
火災保険の加入はあくまでも任意ですが、住宅ローンを使ってマンションを購入する場合は金融機関から火災保険の加入が条件とされるため、必ず加入しなければなりません。
ローン返済中に火災等で再建築するための費用が準備できず、ローンの返済ができなくなってしまうことを防ぐためです。
住宅ローンを使わず現金で購入する場合も必要性が高いと言えるでしょう。
●保険料の相場
保険料は建物の・専有面積・築年数・構造(免震、耐震など)や補償内容によって算出されます。
金額は物件や補償内容によって大きく変わりますので
保険会社のホームページや一括で数社から見積もりを依頼できるサイトを利用してみるとよいでしょう。
●選ぶポイント
◆補償内容
所有するマンションの位置をハザードマップで確認し、所在階数や家族構成などを考慮して、
火災・自然災害・日常生活のリスク(特に水漏れには備えが必要)を建物と家財それぞれ検討しましょう。
◆保険金額
保険金額の設定は補償内容と同じくとても重要です。
火災保険は建物と家財の別々で保険金額を設定します。
マンションの場合、建物の構造部分は共用部として管理組合が別で火災保険をかけています。
そのため住戸の壁紙より内側を再建築するための費用を基準に保険金額を試算します。
内装のグレードや、家財も年齢や家族構成によって個人差が大きいので火災保険の更新や値上げのタイミングで保険金額や補償内容の見直しを検討してみてください。
◆保険期間
保険期間は最長10年から5年になりました。(令和4年10月より)
保険料を一括で支払ったり、最長年数で契約することで割引があるのでチェックしてみて下さい。
◆地震保険
南海トラフなど大地震の確立が高まっている現在、ぜひ検討するべき保険だと言えます。
地震保険は単独で加入することはできず、火災保険または共済とセットで申し込まなければいけません。
補償内容は地震・噴火・それらを原因とする津波などで建物及び家財が焼失、損失、流出などした場合に補償されます。
しかし保険金額は建物5,000万円、家財1,000万円まで、主となる火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で設定しなければなりません。
また、損害の程度によって支払われる保険金額の割合が設定されているので地震によって建物が全壊した場合でも保険金で再建築や元通りに修復することは難しいでしょう。
火災保険のオプションや特約を利用して補償を充実させると安心です。
●まとめ
同じ補償内容でも、戸建住宅かマンション、立地や家族構成によっても注意するポイントは異なります。
大地震のリスクが大きくなってきている現在、大切な資産を守り、家族の安心を得る為にもどのような補償が必要か考える機会にしてみて下さい。