【大阪市】マンション売却時、権利書が見当たらない時は?

マンションの権利書は再発行できるのか?
権利書を失くしてしまってもマンション売却は可能か?
今回はマンションの権利書とはどういったものなのか、
権利書をなくしてしまった場合の売却方法、売却時の注意点についてご紹介したいと思います。
●マンションの権利書とは
権利書とは不動産の売買において登記が完了していることを証明する重要な書類です。
◆正式名称は「登記済証」
権利書は正式には「登記済証」と言います。
「登記済証」の発行は平成17年の不動産登記法の改正により終了し、
現在は代わりに「登記識別情報通知書」が発行されています。
「登記済証」や「登記識別情報通知書」はとても重要な書類で、物件の所有権を移転する際や、
所有者が誰なのか確認する時に使用します。
マンションや戸建て住宅などの不動産の購入時や、相続によって名義人の変更がある場合には
法務局にて登記の申請をしなければなりません。
登記の完了後、マンションの名義人に権利書が発行されます。
◆現在は「登記識別情報通知書」
上記でも述べたように、現在発行されている権利書は紙の「登記済証」ではなく
12桁の英数字が記載された「登記識別情報通知書」で発行されています。
この12桁の符号はクレジットカードの暗証番号などと同じように
所有者以外に知られてはいけません。
また、以前の紙の権利書は法務局から発行されていましたが、2008年7月より法務局全てが
オンライン庁に切り替わったことにより、登記識別情報通知書はオンライン庁より
交付されるようになりました。
●権利書を紛失した場合の所有権はどうなる?
普段使わないものなので、しまい込んでしまうことが多いですが、
マンション売却などで必要な時に見つからないということがあります。
◆権利書を失くしても所有権は無くならない
権利書を紛失してしまっても、所有しているマンションの権利そのものが
なくなってしまうわけではありません。
不動産売買の取引においては本人確認ができれば売買することが可能です。
◆権利書は再発行不可
登記済証や登記識別情報通知書の発行は1度限りです。
不動産の所有者が変更になった時や、名義変更の登記を行った際に新所有者の名義で発行されます。
失くしてしまっても再発行はできないので、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
◆登記識別情報通知書への切り替えも不可
「登記識別情報通知書」が交付される前に発行されていた紙の「登記済証」を
「登記識別情報通知書」に変更したいという場合でも、切り替えることはできません。
所有者の変更がない限り発行は一度限りになります。
●権利書がないマンションの売却方法
権利書(登記済証・登記識別情報通知書)を失くしてしまっても
物件の所有者である事を証明できれば、マンションの売却はできます。
では具体的にどうやって所有者であることを証明するのでしょう?
◆弁護士や司法書士に本人確認を行う
まず一番多く利用されている方法として、司法書士や弁護士に売却したいマンションの
所有者である事を証明してもらう方法です。
費用は5万~10万円程度、場合によっては数十万円かかることもあります。
また手続きに時間もかかるため紛失に気づいたら司法書士や弁護士になるべく早く
相談しましょう。
◆「事前通知制度」の利用
司法書士や弁護士に依頼せず「事前通知制度」を利用して本人確認することもできます。
「事前通知制度」とは登記申請後にオンライン庁が売主に対して、マンションの所有者本人である
ことが証明できる書類を郵送し、所有者が通知書に署名・押印を行い、2週間以内に
提出すると登記が完了するという制度です。
しかし、書類の不備や2週間以内に申し出を行わなかった場合、登記は無効になります。
この制度は、確実に登記が完了する保証がないので、売買において「事前通知制度」が
利用されることはほとんどありません。
◆公証人役場で本人確認を行う
司法書士や弁護士に依頼せず、自分で公証役場に出向き公証人に本人確認してもらう方法もあります。
必要書類や委任状を用意しなければならないので手間がかかりますが、
本人確認の費用を抑えることができます。
権利書がなくても不動産の売買を行うことはできますが、司法書士や弁護士に依頼する場合でも、
自分で公証人役場へ出向く場合でも時間や手間がかかります。
まずは経験豊富な不動産会社に相談してみることをおすすめします。
信頼できる不動産会社を見つけて相談してみましょう。
●権利書を紛失したマンションを売却する際の注意点
◆決済直前に紛失したことが判明しても対応が間に合わない
マンションを売却することになったけれど、決済日間近で権利書がないことに気づいた場合
決済日までに対応が間に合わない場合があります。
決済日に権利書がないと所有権の移転登記を行うことができず、決済を中止せざるを得ません。
マンションの売却を検討する際には、権利書の有無を確認し、
見つからない時は早めに不動産会社へ相談してください。
◆相続でのマンション売却は権利書が不要
相続によるマンションの名義変更には権利書は必要ありません。
新たに相続登記を行えば、新所有者に登記識別情報通知書が発行されるため、
その登記識別情報通知書があればマンションの売却が可能になります。
●探し忘れがないか再度確認を
権利書のない状態でのマンションの売却は手間や費用、時間もかかります。
大事な書類なので銀行の貸金庫に預けたり、書類と書類の間に入り込んでいたりしないか
焦らずに、もう一度探し忘れがないよう確認することをおすすめします。
●まとめ
・権利書(登記済証・登記識別情報通知書)は再発行不可
・権利書(登記済証・登記識別情報通知書)がなくてもマンション売却は可能。
しかし、所有者である証明をする必要がある。
・権利書(登記済証・登記識別情報通知書)がない場合のマンション売却は
事前にたくさんの準備が必要
権利書がなくてもマンションの売却は可能ですが、所有者である証明をするために
費用や準備期間が必要になります。
決済直前では間に合わない場合もあり、ギリギリで権利書がないことに気づき
トラブルにならない為にもマンションの売却を検討した段階で権利書の所在を確認し、
見つからない場合はできるだけ早く不動産会社に相談して早めに準備を進めていきましょう。