【大阪市】売れにくい物件(未接道・建築不可)

不動産を売りに出す際、専門知識や複雑な手続きが必要などで買い手が付きにくい物件があるのはご存知でしょうか?
その中でも「道路に面していない」「建築ができない」といった条件がある場合には売却が難航することも少なくありません。
一方で、都市部を中心にそのような買い手の付きづらい物件を処分したいというニーズが高まっています。
今回は「未接道、建築不可」物件の特徴や売却方法などをご紹介したいと思います。
●建築不可物件
建築不可物件とは、建築基準法における「接道義務」を果たしていない土地にある物件のことです。
このような土地は規定されている条件を満たさなければ新築許可が下りないので、建築することができません。
すでに建物がある場合(未接道物件)は直ちに罰則が科せられるわけではありませんが、解体して再建築することは不可能です。
「未接道物件」は土地の活用が限定的になる為、売却価格が近隣相場の約50~70%になってしまうケースが多いです。
◆接道義務◆
接道義務では敷地は原則、下記のように規定しています。(都市計画区域内で建物を建てる場合)
・幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接道していなければならない
建物の敷地が道路に面していないと消防車や救急車が入れず、消火・救命活動に支障をきたしてしまうのです。
「2メートル以上の接道」に関しては旗竿地(接道部分が狭く奥に広い空間がある土地)や不整形地では注意が必要です。
◆接道道路の種類◆
たとえ「道」に敷地が2メートル以上接していても、その「道」が建築基準法によって認定されている「道路」でなければ建物を建てることはできません。
下記の5種類が建築基準法上の道路に当たります。
●1号道路:市道・県道など
●2号道路:開発許可等を受けてつくられた道路
●3号道路:建築基準法が適用された時点で既に存在していた道路(昭和25年11月23日)
●4号道路:都市計画方等により2年以内に新設または変更予定の道路
●5号道路:民間が申請し、特定の行政庁から位置の指定を受けた道路
●売れにくい理由
未接道・建築不可の土地の売却が難しいのは、土地活用が限定的なだけではありません。
◆ローンが組めない
住宅ローンの契約ができないのは最も大きなデメリットです。
金融機関の審査では担保価値の範囲で融資額を決定します。ところが上記にも述べているように活用が限定的な未接道物件は担保価値が低いと評価され、買主が希望する金額の融資が受けられない可能性が高いのです。
結果的に住宅ローンなしで購入できる資金がある人に買主候補が限定されてしまします。
◆建替え不可能
未接道物件は再建築が認められません。
そのため、そこに住むには今ある建物をリフォームするしか方法がありません。
しかし今ある未接道物件のほとんどは築年数が古いもので、リフォーム可能とはいえ経年劣化が進めば修繕で補えなくなるのも時間の問題です。
さらに、経年劣化だけでなく自然災害で建物が半壊や全壊した場合でも再建築は不可能なので、これらは買主にとって大きなデメリットと言えるでしょう。
◆緊急車両が入れない
未接道物件は現状で消防車や救急車などの緊急車両が近づきにくい為、病気や火災時などの緊急時の対応は不安が残るポイントと言えるでしょう。
●未接道物件の売却方法
未接道物件は売れにくい物件ではありますが、売却に関して法律上の制限はありません。
したがって、工夫次第では通常の物件と同じように売却できます。
◆再建築可能にして売却する
- セットバックを行う
接道の幅員が4メートル未満である場合には、道路の中心から2メートル敷地を後退させる。(※セットバックという)これによって再建築可能になります。
- 隣地を購入・借地して売り出す
道路に接する敷地の間口が2メートル未満の場合には、隣の土地を購入したり借りたりすることによって、土地の間口を広げる方法です。
◆再建築不可のまま売却する
① リフォームする
リフォームすることによって現存の建物価値を上げることで、賃貸用の収益物件としての需要が見込めます。
②隣地の所有者と相談する
隣地の所有者と相談して2つの敷地をセットにし売却することで、接道条件を満たせる場合もあります。
また、同時売却でなくても隣地所有者に土地を買い取ってもらう方法もあります。
隣地も未接道の場合や、そうでなくても「土地面積を広げて資産価値を上げる」という目的で喜んで購入してくれるかもしれません。
●売却はプロに任せる
未接道・建築不可の土地の売却は難航が予測されるため、プロに任せるのがベストです。
また、不動産業者を選ぶ際には再建築不可物件の売却の経験が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。
専門知識を持った第三者を建てることで、話もまとまりやすくなり、売却がスムーズに進められるでしょう。
●まとめ
今回は未接道・建築不可の売れにくい物件の売却についてご紹介しました。
未接道の土地の売却は経験や専門知識が必要で、まずはプロに相談するのがおすすめです。 有効なアドバイスをもらい、上手に売却しましょう